9/25(日)に開催した、課題本読書会の終了レポートです。
課題本:『ドグラ・マグラ』
夢野久作(著)
開催日:2022年9月25日(日)9:30-11:30
場所:池袋駅周辺のカフェ
参加人数:3名
******************
『ドグラ・マグラ』は、天下の奇書です。これを読了した者は、数時間以内に、一度は精神に異常を来たす、と言われます。読者にいかなる事態が起こっても、それは、本書の幻魔怪奇の内容によるもので、責任は負いかねますので、あらかじめ御了承ください。
******************
角川書店からこんな注釈のある『ドグラ・マグラ』
発狂本で名高い、日本三大奇書の1つ『ドグラ・マグラ』
池袋ジュンク堂の幻想小説コーナーのど真ん中に飾られている『ドグラ・マグラ』
なぜかスカラカ、チャカポコだけ知られている『ドグラ・マグラ』
1935年に刊行されてから80年以上の歳月を経ても、なお悪名高い(知名度の高い)小説は他に無いのではないでしょうか?
しかしながら、名前は知っているが 最後まで読んだことがある方は皆無(※当会調べ)
主催も例に漏れず、学生のころ挫折した経験があり、「この本は課題本にしなければ一生読み終われないだろう」というのが今回の開催経緯でした。
開催の一週間前にやっと読み終わり、なんとか読書会を迎えた次第です。 他2名の参加者も読書会前日になんとか読み終えたそうです。
とりあえず、主催含めた3名とも精神に異常はきたさなかったことを報告致します。
みなさんの感想:
■意味不明
■ところどころ中二病感がある
■表紙からエログロ系かと思うが、エロい部分もグロい部分もなし
■挫折ポイントがふんだんに盛り込まれた、なかなか手強い本だった
■全編通して圧というか熱量がすごい
■文豪ストレイドッグスの夢野久作の能力名は「ドグラ・マグラ」、能力は自分を傷つけた相手を呪う
■今敏監督のアニメ映画「パプリカ」を彷彿とさせる
■「キチガイ地獄外道祭文」や漢文のあたりはかなり読みづらい
■「脳髄論=脳髄は物を考える処に非ず」の全身の全ての細胞が考えているという理論は当時はまだなかったのでは?それを小説に盛り込むあたりが、精神医学系SFとして当時はかなり斬新だったのではないか
■「胎児の夢=母親のお腹の中で、胎児が夢を見ているのではないか」この理論のあたりは面白く読めた
気に入ったセリフ:
■巻頭歌 胎児よ胎児よ何故踊る母親の心がわかっておそろしいのか(上巻)
■・・・・・・ブウウーーーーンンンーーーーンンンン・・・・・・(上巻)
■・・・よく考えてみると、私はまだその中から、私の過去の記憶の一片だも、思い出していないのであったー私は何者―という解答を自分自身の与えることができない。憐れな健忘症の状態に止まっているのであった。私は今朝あの七号室で眼を開いた時と少しも変わらない・・・依然としてタッタ一人で宇宙空間を浮遊する、悲しい、淋しい、無名の一微塵に過ぎないのであった。(下巻)
■・・・おれはまだ母親の胎内にいるのだ。こんな恐ろしい「胎児の夢」を見てもがき苦しんでいるのだ・・・。
・・・そうしてこれから生まれ出ると同時に大勢の人を片っ端から呪い殺そうとしているのだ・・・。
さいごに:
エロくもグロくもなく、探偵小説部分も少ないところなど、想像していた内容とは全然違ったというのが正直な感想です。
読みづらい箇所はふんだんにありますが、上巻序盤など会話劇のようなテンポで進み、下巻の中盤の祖先の系譜を辿る部分は解決編のようで面白かったです。
話のネタに一度読んでみてはいかがですか?
ご参加の皆様、ありがとうございました。
これで今度から胸を張って「ドグラ・マグラ読みました!」と言えますね。
0コメント