7/13 第7回くつろぎ茶話会 終了レポート

7/13(土)に開催した、茶話会の終了レポートです。

テーマ:『子供のいない生き方について』
開催日:2024年7月14日(土)
時間:10:30~12:30
開催場所:池袋駅周辺のカフェ
人数:7名(男性2名/女性5名)

今回の茶話会は、プライベートな内容を話すことが予想されたため、会の冒頭で「茶話会で聞いた内容のうち、個人が特定されてしまうような事柄をSNSへ書き込む行為や、他者に話す行為」はNGである旨をお伝えしております。

そのため、今回のレポートは、お話いただいた内容の中で、個人が特定されるような内容を一部削除し、表現を少し変更して記載しております。

《会話抜粋》
・妊娠や出産の苦しみは全男性に体験して欲しいと話していた女性がいた。女性でも妊娠や出産を経験していない人がいるが、そういう女性は、発言者の頭の中ではどのような位置づけなのだろうか。

・無責任な射精は女性の身体を壊す行為であるという話をした際に、生まれた子供がそれを知ったらどう思うのか?という発言をされた方がいた。その方はお子さんがいたので、子供目線の意見だったのだろうか?

・母親の神聖化は女性を苦しめる場合が多々ある。

・子供が欲しくても産めない/子供を産みたいけど育てたくない、両方のパターンがある。
養子や里親制度をもっと拡張するのはどうなのか。 

・共働きで育児をしていたが、当時はまだ共働きが少なかったため、父親が保育園の送り迎えにいくと疎外感を感じた。 

・母親の中にも分断がある。専業主婦、共働き、職業、年収、住まい、自然出産、帝王切開など。

・女性は子供を産んでいないと、人生ですべきことをしなかった視線を向けられる。自身でも劣等感や罪の意識を感じる傾向がある。さらに未婚の場合は敗北感を伴う。

・結婚して子供を持って一人前(+家を買う)という感覚。結婚→子を持つ→家を買うというタスクをこなさなければと思っているのか、思わされているのか?

・子供そのものが商品化されていないか?子供を持つことを目的化していないか?

・産んで種を続ける、種を育てることとは大事だが、個人にそれをするかしないかの決定権はあるはずなのに、それを選ばされている感じがする。

・働いている女性と接する機会があるが、主婦を見下していると感じることがある。
これはある種のマウンティング。働いて、子育てをして、家事をしている自分を誰かに褒めて欲しい、頑張っているねと言ってほしい心の現れ。辛さから自己啓発に走る人もいる。

・子育てが辛いと言われても、好きで産んだのでは思ってしまう。
→子供を産めば産んだで、思い自己責任を負う。

・子供がいなくてもダメだとは考えていない。子供を欲しいとは思っていない。
子供がいない分、夫婦二人とも我慢しなくてよい。

・いまの時代、この世界で子供を産み落としていいのか。可哀そうなのでは。

・なぜ自分は子供を欲しくないのか。自分でもわからない。

・子供を欲しくない理由の一つとして、シングルマザーになりたくないというのがある。
離婚が多いので、結婚して子供が生まれても離婚するとシングルマザーになってしまう。
(1/3が離婚しているため、自分が離婚しないという自信がない)
シングルマザーは金銭面で苦労するので、子供に負荷を与えてしまう。

・自分の遺伝子を持つ子供に、自分の人生の負けを取り返したいと思っている。
母親世代は結婚して主婦になる選択肢しかなかった。そのため自分の遺伝子を持つ子供に高い教育を行い、社会で活躍して欲しいという圧をかける。

・独身を叩くのは、「子供を産む→自分を失う→自己実現ができない」ため、独身で自己実現をしている人に、自分と別枠で幸せになって欲しくないから。

・旦那さんの収入が低いため、子育てをしつつパートをしている友人がいる。忙しいのか金銭面なのか、美容がおろそかになっている。その友人を見ると、自分の好きなことをして過ごしたいと思う。子供のために、自分の事が出来なくなるのが嫌だ。

・結婚、妊娠、出産の経験がないので自分は経験値が低いのではと心配になる。仕事においても何かを決定する時にも、自分に経験がないため、何か足りないのでは?と考えてしまう。また、子供がいる同僚に配慮が足りていないのではと思う。
→妊娠や子育てはたくさんある経験値の1つ。他の経験値で補える。その経験がないと何もできないのであれば、戦争の場合、戦争経験者しか戦争について語れないことになる。
経験がたりず自分ではわからないことは、相手との会話で補えばよい。

・「あなたには子供がいないから分からないかもしれませんが」と言われると返す言葉がない。
→大人なので人生の先輩として、(自分に子供がいなくても)他人の子供を𠮟ってもいい。

・子供は誰かが産まないといけない。産んでも育てられない人は他人が育てても良いのでは。

・商品化しない子供の持ち方とは。

・国の「子供を産みましょう圧」が嫌だ。

・配偶者とペットがいる生活。以前出会った子供のいない夫婦に悲壮感がなかったので、
子供がいなくてもいいんだと思った。

・男性は妻の妊娠期間はどのように感じるのか?
→複雑な気持ち、生活できるのか不安。生きていかないといけない。

・男性にとって子供とは、自身の収入アップ→結婚→妻と子供がセットなので、子供のいない男性は、経済的に成功していないガッカリ感がある。非モテの問題。

・不妊治療とは女性の身体にかなり負担を伴う。産んだら産んだで思い自己責任。子供はリスクになる場合もある。
→不寛容な世間。やはり皆で子育てが良いのでは。

・子供が親を訴えるケースがある。「なぜこんな貧困の中で自分を産んだのか?」

・多産は貧困層に多い。支配的な夫の場合、子供を作る行為を強制される。

・子供がいないことを否定しないで欲しい。子供がいなくても幸せになれるし、(自分は)経済的にも心配ないので、いまが幸せなことを若い時の自分に伝えたい。

《参考資料としてお持ちいただいた本》
『まんが 子どものいない私たちの生き方』 森下えみこ (著), くどうみやこ (著) 小学館 (2021/4/20)

『#生涯子供なし なぜ日本は世界一、子供を持たない人が多いのか』 福山 絵里子 (著) 日経BP 日本経済新聞出版 (2024/5/9)

『私の身体を生きる』 西 加奈子 (著), 村田 沙耶香 (著)他15名 文藝春秋 (2024/5/24)

『赤い星々は沈まない』 月吹 文香 (著) 新潮社 (2024/4/17)

《今回の茶話会後の考察》
①   子供がいないことに対するまわりの偏見(無意識な言葉)
結婚していなくてかわいそう、子供がいないと寂しいよ、老後が大変だよ、子供って可愛いのにetc. 
全ての女性が妊娠して出産している(するべき)かのような言動。

②   自身の心の問題
産まなかった女性は、人生ですべきことをしなかった視線を向けられる。自身でも劣等感や罪の意識を感じる。未婚の場合は、より敗北感を感じる。子供のいない男性は、経済的に成功していないガッカリ感がある。

③   少子高齢化や社会保障の問題
・少子化の問題
→女性は産めば重い自己責任を背負う。女性が子育てしながらでは働きにくい構造を残したまま、男女とも経済的困窮という問題がでてきた。
・社会保障制度の問題
→日本は若い世代が高齢者を支える仕組みで成り立っている。子供が少ないと支える担い手が減り、制度自体が破綻する。
・介護の問題
→家族が中心となって支えることを前提としている

③は今後、就職氷河期世代で安定した雇用に就けなかった人が高齢になったとき、様々な問題が顕在化するだろう。

以上です。

今回のテーマは話せば話すほど問題が出てきて、会話の尽きない会でした。 

私個人としては、長年モヤモヤしていた部分が、少し解消したかなと思っています。参加者様が、多様性のある世の中になるように祈りたいとお話されていましたが、既婚/未婚/子供がいる/子供いないというカテゴリ分けされるのではなく、個人がどのような選択をしても許容される社会になるといいなと思います。

さいごに、
茶話会とは1つのテーマを基に皆で雑談をする会です。何かを解決するとかしないとかではなく、ただ雑談をするだけなのですが、他者との会話を通じて、少しでも気持ちが前向きになればいいなと思います。

テーマは随時募集していますので、ご連絡ください。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

くつろぎ読書

2015年3月発足。月1~2回程度、都内各所で読書会を開催しております。場所は、貸し会議室・喫茶店・絵本カフェ・BOOKカフェと様々です。 定期的に、本屋さんめぐり、街歩きと読書会を合わせた「おさんぽ読書会」をやってます。2019年から「哲学対話」を始めました。ご質問はこちらへお願いします【kuturogidokusyo@yahoo.co.jp】

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